蛇のようにしつこく、一つのことをずっと見ています

僕にはどうも、しつこいところがあるようです。
いや、普段は飽きっぽくて、一つのことをずっとやり続けるって、なかなかできないタイプなんです。
だけど、社会的な意味というか、それをするべき大義のようなものがある場合に関しては、強烈にしつこいようなのです。
何年でも何年でも、それに向かってやり続けます。

数年前、ピロール農法のことを知ったのは、大きなターニングポイントでした。
僕が今までしてきたような生活スタイル、なるべく稼がないとか、支出を減らすと自由になるとか、米あれば死なないとか、そういう一連のことにピロール農法が加わって、全部がドーンとつながったのです。
ある日、そうか!と雷に打たれるようにわかっちゃったんです。
すごい生活スタイルを思いついちゃったのです。

それは自分にとって、理想の生活になり得るものでした。
同時に、世の中にもそんな生活スタイルを欲している人はいるに違いないということも感じました。
だけど、その時にはまだ僕の頭の中だけ、机上の空論に過ぎず、実現できるかどうか、わかりませんでした。
だから、まずは自分で実際にやってみたのです。

今まで通り、生活スタイルはコンパクトにして、あらゆることやものについて、要るか要らないかを自分で決めます。
そうすると普通は支出が下がりますから、その分、収入を下げることも可能になります。
収入をあえて下げる事なんて、普通はやらないわけですが、重要なのは自分で決めることです。
なぜ収入を下げることを普通はやらないのか、その背後にはどんな観念が潜んでいるのかを、ぜひ考えてみてください。
そうやって収入を下げると、その分、時間と余裕ができます。
ここが重要です。
時間と余裕がないと、自身の才能を発揮することはできません。

僕の場合は、自分の好きなようにやる米作り、それは普通はしないような米作りですが、そういうことだったのかもしれません。
余裕がないとできないのです。
ま、それまでに手伝ったり、修行させてもらってた田んぼが、たまたまそんな感じだったというのもありますが。
そして、採れた米を全部、自分で販売します。
そのためにネットで情報発信をします。
ブログから始まって、YouTube、メルマガ、クラウドファンディングもやりました。
そういうことをなるべく日々の生活にして、少しずつ収入に変えていくのです。

それは小さなビジネスですが、軌道に乗るまでにはやはり2、3年かかります。
無名で、今までに何の実績もないのなら、どんなビジネスやお店でもそんなもんだと思います。
だから、それが生活の延長なら、失敗が少ないのです。
ビジネスも生活と同じで、お金をかければかけるほど、自由から遠ざかります。
支出の多い生活なら、その分収入を上げる必要があります。
固定経費の多いビジネスなら、その分売り上げが必要です。
それらは全く同じことなんです。
この支出は本当に必要なのか、この固定経費は本当に必要なのか、それを自分で決めるのです。
常識ではこうするだろう、普通はこうだろう、なんて思っているなら、それは自分で決めていません。
社会の誰かの思惑に決めてもらっているのです。

まぁ、そんなことがある日、雷に打たれたように全部つながったのです。
そうそう、ここにピロール農法がどんなふうに絡むかは僕の本でも読んでください。
勢いでこの文章を書いていたら、書くのを忘れちゃいました。
それで、その生活スタイルを自分でやってみたんです。
実際やってみて、ちゃんとできたよ、ってことがないと大きな声で言えませんからね。
そして3年くらいで、僕の思いつきは大体間違ってないんじゃないかと思うに至りました。
『田舎で米を作ったら、死なない気がしてきた』という本はそんな生活スタイルについてまとめたものです。

そういうことをずっとやっております。
毎日、淡々と粛々と。
めちゃくちゃしつこいんですよ。
蛇のようにずっと、一つのことを見ています。
大義さえあれば、面白い全体図さえあれば、僕は何年でもずっと、そのことをし続けられます。
具体的に何をするかはその時々で変わっていきます。
いろんなことをやりますから。
それを僕は百姓と呼んでいるのです。
いろんなことをしますが、方向はいつも一点に向かっています。
僕にとって、その一点は遠ければ遠い方がいいです。
ただし、面白くて、正しいことです。
そういう、一生達成できないような馬鹿でかいゴールがないと、生きていけないタイプなのかもしれません。

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