ピラミッドを抜ける② 支出と収入

世界中の人がオカネ教に入信しています。
みんなが入信していますから、逆に自分が入信していることに気づかないくらい。
世の中には、背が高い人と低い人がいるでしょう。
それと同じです。
オカネ教に入っている人と入っていない人がいるなら、自分はオカネ教に入っていると認識できます。
だけど、みんなが入信しているなら、そう認識することすらできません。
背の高い人がタイプです、という人はいても、目が多い人がタイプです、という人はいません。
この例え、ちょっとわかりにくいですか?

とにかく、僕らはオカネ教に入信していて、もう何世代目なのか、よくわからないくらいなのです。
いわゆる宗教2世問題ってありますけど、そんなの目じゃないのです。
気づいてない人も気づいていないだけで、ちゃんとオカネ教に入信しています。

そんな前回の話でした。
まずは自分がオカネ教に入信していることに気づくこと。
そして、それに気づいた人は、何を考えたらいいでしょうか。
それが今日の話。
支出と収入のことについて考えてみます。

まずは支出のことを考えてみましょう。
オカネ教の教義では、支出は多い方が良いとされています。
いやいや、そんなことないでしょう、うちは質素倹約ですよ、という人もいるでしょう。
嫌な言い方かもしれませんが、それはお金に余裕がないだけかもしれません。
ちなみに、僕はイマイチありませんけども。

毎月20万円を使う生活よりも、毎月100万円を使う生活の方がスゴーイってなります。
インスタ映えもするんでしょうね。
その「スゴーイ」って感覚、なんとなくわかるでしょう。
そういうことに興味のない人もいるでしょうが、世の中の多くの人はそれをスゴーイって思っているのです。
そう思い込まされているだけなのですが。

みんな常識を信じています。
いや、これも常識を信じている、という感覚はありません。
なぜなら、常識は常識なのだから、常識と呼ぶのです。
そんな意識できない常識の中にいろんなことが含まれます。
あなたの生き方や、そのもとになる考え方です。
さっきの「スゴーイ」は、なぜスゴーイのかということです。
スゴーイの元になる常識を、僕らは持っています。
持たされているというか。

常識、普通、当たり前、慣習、正義、倫理、文化、思い込み…。
それは、いろんな言葉で表現されます。
僕はそれらをまとめて観念と呼んでいます。
オカネ教という観念を持っているわけです。
観念については、また書きましょう。
今日は、自分がオカネ教に入信していると気づいたら、という話です。

みんな生き方を自分で決めていません。
自分の持っている観念が、ほとんどすべてのことを自動的に判断して決めています。
その観念は、自分で身につけたものもありますが、誰かにそう教えられたというものも多いです。
世の中に、そういうものだと教えられたのです。

この部分に気づくことが大事です。
自分の人生を自分で決めていない、ということに気づくことが重要なんです。
人生は99%以上、観念が決めています。
そして、その観念の多くは、他人に決められたものです。
そこをぜひ、少しずつ認識してください。

お金を使う生活がすごいことだと、僕らは思っています。
そう思わされています。
そういう観念を持っています。
それに気づいたら、少しずつ自分で決めてください。
お金を使う生活が偉いわけではありません。
逆に、お金を使わない生活が偉いわけでもありません。
自分で決めてください。
急に全部を自分で決められませんから、少しずつ自分で決める練習をしてください。

身の回りを眺めて、「これって本当に今の自分に必要なのだろうか?」と思いを馳せてください。
そして、自分で決めてください。
とにかく、自分で決めることです。
初めはとっても疲れるかもしれません。
今までしてこなかったことにチャレンジするのですから、当然です。
ゆっくり休みながら、少しずつやってみてください。

自分で決め始めたら、支出は下がっていくのが普通です。
支出を下げることを努力したり、そんな必要はあまりないはずです。
我慢は要りません。
いや、逆に我慢をしてはいけません。
自分で決めることが重要だからです。
他人に、世の中に、普通に、常識に決めてもらっていないか、ずっと自分を観察するのです。

そんなことをしばらくやってみてください。
人によるでしょうが、3ヶ月、半年、数年くらいとか。
その結果、支出が下がってきたら、次に必然的に考えるのは収入の額のことです。
今まで、収入は多ければ多い方が良いと思っていたわけです。
腐るものでもありませんし、みんなもそう思っていますから。
ところが、それも他人に決めてもらっていた観念だと、気づいてしまうのです。
そうなったら、世間の常識的な収入の額など、自分にとって意味を持たなくなってきます。
自分で決めた自分の支出を賄うだけの収入があれば、それで良いのです。

そんなわけで、収入もそのうち自分で決めてください。
大抵の場合は、収入を下げても問題ない、という感じに落ち着くと思います。
今まで収入をキープするために、たくさんの犠牲を払ってきた人は、人生に随分と余裕が出るでしょう。

とにかく、少しずつ自分で決める練習をするということです。
今まで、ほとんど全部、99%以上を他人に決めてもらっていた、ということに気づくことです。
これは並大抵のことではありません。
すごいことをさらっと文章で書いちゃっています。
これはぜひ、ゆっくりと時間をかけて取り組んでください。
慌てる必要は全然ありません。

そういえば、ピラミッドから抜けるという話でしたね。
次回はどうしましょうか?
ピラミッド型ではない未来の社会について話しましょうか。
それはみんなが、それぞれの才能を発揮する社会です。
ではまた明日。

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