農的生活に必要なのは人生の段取りです【二階から目薬・資本主義からスローライフ⑤】

僕の生活はいろんなことが組み合わされています。
まずベースになるのは、支出を自分で決めることです。
毎日の生活のあらゆる部分を観察して、それが自分にとって必要かどうかを自分で決めるのです。
その時、断捨離が役に立つでしょう。
毎日の生活の大部分は、他人に決めてもらっていたのかも、なんて気づいたら大抵の場合、支出は下がります。
何かを我慢する必要はありませんし、我慢しているならちょっと違っています。
我慢しているその裏に自分がどういう観念を持っているか、なぜそういう状態なのかを自分で自分を観察するのです。
なかなか難しいことですけども。

生活に余裕が出てきたら、それに合わせて、収入も自分で決めてもいいかもしれません。
無理してたくさん稼ぐ必要はなかったかもしれない、なんて気分になってきたら、そうするのもありかもよってことです。
稼ぐ必要性と、稼ぐのに使っている時間と労力を天秤にかけるのです。
普通はお金を稼ぐことが何よりも優先だったりするわけですが、それが逆転する日が来るかもしれないということです。

そういう生活態度といいますか、生き方が自分に馴染んできた頃、気づいたら自分のやりたかったことをしているかもしれません。
それも、無理して自分の小さい頃から興味のあるようなことをしなきゃ、ワクワクすることをしなきゃ、ではありません。
毎日に余裕が出てくると、自然とそうなったりするのです。
それは、自分の才能が人生の中で表現されてきた、ということです。
才能とは、誰かにはできないけども、自分にはできるということです。
才能という言葉を使うと、大げさに感じるかもしれません。
きっと、もっとささやかな、小さなものでしょう。
社会的な成功とか、そんなこととはたぶん関係がありません。
でも、それは紛れもなく才能なのです。
それをぜひ発揮し続けていきたいのです。

ここで半農半Xという考え方が登場します。
自分の才能を発揮するのが、半Xです。
その半Xで、充分お金を稼げるというレアな人はそれでいいです。
だけど、そんな人はほとんどいません。
僕も全然できません。
だから、半農でも少し、半Xでも少し稼げるようになると最高なんです。
僕はたまにバイトしてますけども、それも自由になるかもしれないということです。
バイト行くのもよし、行かないのもよし、という状態になるかもってことです。

半農で米を作ったら、死なない気がしてきます。
生活に必要なものも全部あるじゃん、みたいな。
この安心感みたいなものはすごいです。
安心感を得るための工程が現代人には長すぎるかもしれませんけども。
それをしたくないから金を稼ぐんだよって言われたら、それもありかもねって返すしかありません。
だけど、札束も硬貨も食べられませんからね。
お金はとっても便利だけども、お金はお金です。
そして現代には搾取の社会システムがありますから、お金だけに頼ってなおかつ自由に生きる事はほとんどできない、非常に難しいと言えるでしょう。
だから、普通ならお金で解決するであろういろんなことを自分でやるってことなんです。
それが農的生活です。
食べものを作ることはもちろん、いろんなことを自分でやるのです。

それを百姓と呼んでいます。
百の姓=百の仕事を持つということです。
人類が農耕を始めて以来、そういうことをしてきたわけです。
今、世界はすごく豊かになりました。
小さな農業なんて、片手間でできるかもしれません。
昔はほとんどの人が農業しかしていなかった時代もあったことでしょう。
毎日毎日、朝から晩まで作物の世話をして、自分の好きなことなんてできなかったのです。
それぞれの才能を発揮するなんて、思いもしなかったかもしれません。
でも今はもう違います。
お金の搾取システムからうまいこと逃れつつ、自分の生活に必要なものをパパッと作り、空いた時間で自分の才能を発揮する、なんてことができる時代なのです。

それは針の穴を通すようなアクロバティックな生き方かもしれません。
いろんなことを組み合わせた緻密な生き方かもしれません。
それを実際にできる人はまだ少ないでしょう。
だけど、どうしてもそれをやりたい人はぜひチャレンジしてください。
僕もぜひお手伝いします。

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