ミネラルの多い作物ができるのは、そういう土の状態である、ということです。
そんな土壌を作るピロール農法の話の続きです。
それは循環がうまくいっているということです。
循環は大事でしょう。
この世界は、ぐるぐると循環しているからです。
循環を止めてしまう行為は、その後にしっぺ返しが来ます。
よく考えたら、循環が先にあって、その後で人類がそういう環境で誕生しているだけですから、それは当たり前のことではあります。
そんなことを思うと、江戸時代の、農業も含めた社会システムはうまくできています。
江戸は当時、世界最大の都市でした。
中心部では当然食べ物が足りませんから、郊外で米や野菜を作って中心部に売りに行きます。
江戸の人々はそれらを食べて排泄しますから、今度はし尿を郊外に持っていって田畑に戻します。
この時、かまどの灰なんかも一緒に撒いていたようです。
まるで、花咲か爺さんですね。
日本は酸性土壌の場所がほとんどですから、灰を撒くのは土壌をアルカリに傾けることになります。
シアノバクテリアは酸性土壌よりもアルカリを好みます。
きっと江戸時代は、日本全国ピロール農法的だったのでしょう。
そんな呼び方も何もなかっただけのことです。
ただ、現代では江戸時代と環境が違いますから、昔と同じことをしても同じ結果にはなりません。
今のピロール農法の役割は、昔と今の環境の差を埋めること、と言えるでしょう。
江戸時代の素晴らしい循環のシステムを現代に取り入れることはできるといいのですが。
この世界の循環に思いを馳せてみましょう。
現在の社会システムはどうなっているでしょうか。
毎日食べて、毎日トイレしますね。
食べ物はどこから来て、排泄物はどこへ行くでしょうか。
そんなことをぜひ考えてみてください。
そして、江戸時代と現代はどう違うのか、調べてみてください。
現代は大きなシステムの中にいますから、それを個人が変えるのは非常に難しいです。
できることは、ピロール農法を楽しく続けていくこと、くらいしか僕には思いつけません。
ピロール農法の火を絶やさないように、細々と続けて行くのです。
僕は、どうしてもピロール農法がしたいという人だけがピロール農法をしたらいいと思っています。
ピロール農法は、社会のシステムの根幹になり得るものですから、こんなものがすぐに普及するはずがないように見えます。
ピンときた人だけすれば良いのです。
ピロール農法は本当の意味で、まだまだ普及しません。
いつか世の中が変わったとき、あるいは変わらざるを得ない時に、ピロール農法は人々に発見されるでしょう。
その時まで、この農法の火を絶やさないということに少しでも力になりたいと思っています。
それがピロール農法を楽しく続けていくということです。
それ以外にできることは、そんなにないように思うのです。
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