田んぼのお悩み

田んぼを始めて5年経ちました。
3反という広さの田んぼでした。
去年から1枚田んぼを増やして、5反になりました。
これをまた3反に戻そうかと悩んでいます。

どっちにしても、大した広さではないのです。
趣味程度のものです。
昔で言えば、兼業農家サイズといいますか、そういう規模です。
だけど、稲架干しをしたり、山奥の条件の悪さなどがあって、かなり大変なんです。
昔は家族総出でやっていたりしたのでしょうが、今はその辺も事情が違います。
家族構成と個々の生活スキルは全然変わってしまいました。
現代人は金を稼ぐスキルしかない、なんて言ったら極端ですが、そういう方向の人は多いでしょう。

個人的には、なるべく田んぼは大きくしないほうが良いと思っています。
田んぼを広げると、機械や納屋の維持、メンテナンス、労働時間など、あらゆる負担が大きくなります。
田んぼが小さいなら、必要なものも経費も少なくなります。
同時に稼ぎも小さくなりますが、生活を自分で決めているなら、普通はそこまでお金はかからないようになります。
もちろん、家族の状況などによりますので、人それぞれではあります。

稼ぎを小さくできるのは、そういう生活態度が前提条件です。
僕は今までそんな感じで生きてきたわけです。
稼ぎが小さすぎて足りない分は、適当にバイトしたりして。
だけど、バイトも結局めんどくさいし、田んぼをするためにそこそこの投資もしているわけで、もうちょっと田んぼを増やしてもいいよね、って思っちゃったんです。
言うなれば、イケイケの拡大路線みたいなやつです。
世間一般では良いこと、すごいことみたいに思われるやつ。
なんというか、魔が差すといいますか、それをやっちゃったんですね。

世間の影響ってすごいんです。
気づいたら知らない間に影響を受けちゃっているんです。
こんな山奥に住んでいてもそうなんです。
気づいたら「普通」に近づいていきます。

田んぼを増やして稼ぎはだいぶ増えました。
かかる経費はそんなに変わらないですから、売上だけが増えれば、そりゃ〜残るお金は増えます。
だけど、僕の労力やストレスもどーんと増えたのでした。

田んぼがお金に見えます。
それが悪いとは思いません。
だけど、「この仕事をしたらいくら分くらいだな」とかすぐに計算できちゃうわけで、それは割の良い仕事にも見えるわけです。
経済合理性から考えれば、それは当然「やるべき」仕事です。
「普通」なら、そういう感覚でしょう。
ビジネスも少しは軌道に乗ったな、という感じもします。

だけど、僕がやりたいのは、やっぱりそういうことじゃないのです。
儲かるのも楽しいし嬉しいけど、それだけじゃダメなんです。

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