ピロール米の歴史の凄み

たまにはピロール農法について書いてみます。
ピロール農法には、面白くて興味深い点がたくさんあります。
今日はその中でも特に、ピロール米が毎年アルカリ性であることを確認している、ということについてお話しします。

まず、ピロール米はアルカリ性のお米です。
一般的なお米は酸性です。
ここでは、なぜピロール農法だとアルカリ性のお米になるのか、土の中で何が起こっているのか、という話はとりあえず置いておきます。
重要なのは、ピロール米の中身が普通のお米とは違うということです。

お米の栄養成分は、見ただけではわかりません。
食べて違いがわかるという人もいるかもしれませんが、一番確実なのは、検査して数字で確認することです。
米がアルカリになっていることを数字で確認するのです。
というわけで、自分の作ったお米をピロール米として販売したい人は、毎年この検査を受ける必要があります。
ピロール農法をしました、米の中身が今年もちゃんとアルカリ性になりました、ということを、毎年確認するのです。

これが非常に重要です。
良いお米と言ったとき、どんなものを指すのか、人それぞれの価値観があるでしょうが、ピロール米の物差しは「アルカリ性であること」です。
お米がアルカリ性になるのは、ミネラルのバランスと量によるものです。
これは、土壌や自然環境の中でミネラルがきちんと循環していることを意味します。

ミネラルは元素であり、腸内で合成されたり、何もないところから突然生まれたりはしません。
必ず自然界の中を循環する必要があります。
その循環の度合いを測る1つの指標として、米がアルカリ性であるかどうかが役立つのです。

毎年収穫したお米がアルカリ性であることを確認するのは、ピロール農法による循環がうまくいっていることを示しています。
「今年もアルカリ性だったから、今年の田んぼのやり方やピロール農法は問題ない」ということです。
こうした基準や物差しがあると、分かりやすくて良いと思います。

話は変わりますが、ふと思い出したことがあります。
ネットワークビジネスにおけるシーンでしょうが、ある化粧水の説明で「この化粧水は飲めるんです!」と言って、実際に一気飲みをしたという話を聞いたことがあります。
「なんだか良さそう」と感じる人もいるでしょう。
パフォーマンスとしては強烈な印象ですね。
しかし、飲めるからといって、化粧水として優れているかどうかは別の話です。
コーラや味噌汁だって一気飲みできますが、それらは化粧水として良いのでしょうか。

同じことが農法にも言えます。
「この農法をやっているんだから、良いものができているはずだ」という考えは、本当に正しいのでしょうか?
「こんなに良いことをしているのだから、良い作物ができているに違いない」と思い込んでいる可能性があります。
思い込んでいないかを確かめる方法はただ1つ、実際にできた作物を「毎年」調べることです。
これが最も誠実な姿勢と言えるのではないでしょうか。

ピロール米は、みんなが毎年調べ続けて、もう40年ほど経つそうです。
これは本当にすごいことだと思いませんか?

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