たまにはピロール農法の話をします。
僕ら動物は生きていくのに酸素が要りますが、それは植物も同じ、という話です。
えっ? 植物に必要なのは二酸化炭素じゃないの? って思うかもしれません。
植物が光合成するときにはそうなんですが、根っこは酸素を必要とします。
でも、根っこのある土の中では、酸素は貴重なものなんです。
作物の育ちが悪いとき、水が足りないのか、肥やしが足りないのかと思う人が多いでしょう。
だけど、意外と見落としがちなのが酸素です。
僕ら人間なら、酸素がないと5分も持たずに死んでしまいます。
水や食べ物がなくても2〜3日は大丈夫でしょう。
命の優先順位はまず酸素なのです。
酸素がないのに、水飲め、飯食えと言われても苦しいだけ。
それは植物も同じなのかもしれません。
そんなわけで、田んぼでも畑でも、土の中に酸素が入るように工夫します。
田んぼなら中干しをしますし、畑なら畝を高くして中耕して、土に資材を混ぜてふかふかにします。
土の中に少しでも酸素が供給されるように、あの手この手を尽くすわけです。
根腐れの原因になったりすると、もうどうにもならないですから。
ところで、僕らも毎日吸っているこの酸素って、誰が作ったかご存知でしょうか。
植物が光合成で出したんじゃないのって、大抵の人は思うようです。
だけど、それはちょっと不正解です。
植物が出した酸素は意外と少ないんです。
地球上の酸素の大部分は、30億年前にシアノバクテリアという微生物が出したものです。
彼らは、それまで酸素なんてほとんどなかった地球を、酸素の星に変えたのです。
それまでは、酸素があると死んでしまうような嫌気性の微生物ばかりだったようです。
地球上の酸素は、数億年かけて増えていき、酸素を利用して生きる好気性の微生物が増えました。
そんな環境で、今につながる植物や動物たちが誕生したわけです。
僕ら人間ももちろんその一つです。
緑豊かな地球環境の礎になったのは、シアノバクテリアが発生させた酸素というわけです。
話を戻して、土の中で酸素が足りないなら、シアノバクテリアに頑張ってもらえばいいんじゃないか、なんて思いませんか?
そう、それがピロール農法です。
シアノバクテリアは30億年前からずっと地球のあらゆる場所にいて、今でも重要な役割を担っています。
空の上から、地面の中、海の底、火山口まで至るところに生息しています。
だけど、土の中のシアノバクテリアがここ最近、元気がないらしいのです。
それをもう一度活性化させるのがピロール農法です。
田んぼで中干しが必要になったのは昭和30〜40年代あたりからですし、昔は土の中に酸素が豊富だった、ということです。
土を昔に戻す、その一番最初にするべきことは、土の中で酸素を出すシアノバクテリアに元通りに元気になってもらうことです。
地球の歴史をもう一度辿るのです。
たまにピロール農法のことを書くのも楽しいですね。
少し連載します。
ではまた明日。
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