「13歳からのアート思考」世界は一点に向かっている

「13歳からのアート思考(末永幸歩著)」なる本を読みました。
アート思考ってのが、意識高い方々の中で来てるらしいとの噂を聞きつけて、図書館で借りてきたのであります。

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なかなか面白かったですね。
初めのほうは、美術史の授業でも受けているのかと退屈に感じましたが、本全体の意図がわかったとき、俄然面白くなりました。

アートというと、僕らはヨーロッパの歴史上のアートしかほとんど知らないわけですが、その歴史は観念を一つ一つ手放していくようなものだったのです。
自由になる過程というか。
最終的にたどり着く心境は、オールオーケーなどこか仏教的といいますか。
いわゆる真理に近づくとでもいいますか。
何事も突き詰めるとそうなるんでしょう。
アートに限らず、何でもそう、ということです。

絵画の写実性をとにかく高めることに費やされた時代があったそうです。
絵画を目に見えるものにどこまで近づけられるかという時代です。
何百年もかけてその技術を高めていきました。
本物そっくりなら、そっくりな方が良いということです。

ところが、写実性の追求をしているだけでよかったのかと、根本から問い直させる事件が起きます。
それがカメラの登場です。
それは、美術家たちに、衝撃を与えたことでしょう。
アイデンティティーを半分取られたような。
そこからは、観念を一つずつ手放していく歴史となっているようです。
葛藤や試行錯誤が想像できて、ここがすごく興味深い部分です。
そうやって、現代美術と呼ばれるような美術とつながっていきます。

アートに限らず全てのことが、いつか同じような道筋をたどるように見えます。
そして、それは加速します。
観念をたくさん拾う時期を超えて、手放し始めるきっかけがあって、一旦手放し始めるとそれは加速していくのです。

なんだか人の一生のようです。
人生にもそういうフェーズってあるでしょう。
観念を拾いまくる時期、それを大切に守り強化する時期、そして何かきっかけがあって手放し始めます。
最近は特にきっかけが多いかもしれません。
不景気だったり、災害だったり、そういうことに対して、みんないろいろ思うところがあるでしょう。

あらゆるジャンルや分野で、一つの方向に向かっているのです。
すべては一点に収束していきます。
バラバラに見えたものが実は全部関連していて、いつか僕たちはそう気づかざるを得ません。
それは必ず、一人残らずです。
そのヒントは目の前に常にあります。
というか、すべてがそれです。

気づきの連鎖は、思ったよりも早いのかもしれません。
そんなことを「13歳からのアート思考」を読んで思った次第であります。

ところで、この本の副題に「自分だけの答え」が見つかる、とあるのですが、ここはどうも違和感があります。
自分だけの答えを見つけるための本というよりも、自分だけの答えって見つけたり探したりする必要あるの?を問う本じゃないかと思ったりもしました。
いや、そんなこともないのか。
そうだとしても、よくある言葉の綾でしょうか。

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