シアちゃんは独立栄養微生物なのである

先週は
ピロール農法と
ピロール資材全般の
話でした。

今週は
少しマニアックに
掘っていきます。

 

ピロール農法は
土の中の微生物叢
(びせいぶつそう、マイクロバイオーム)を
活発にします。

この、菌たちが活発な状態って
どんな状態でしょうか。

 

地球の歴史の中でも
微生物はとんでもなく
大きな役割を果たしてきました。

30億年前の地球、
今の僕らから考えると
地獄のような環境です。

酸素もありませんから
僕らがタイムスリップしたら
すぐに死んじゃいます。

誰も生きていけません。

そんな頃に
登場したのが
シアノバクテリア(らん藻)です。

シアノバクテリア(以下シアちゃん)は
光合成する細菌でした。

二酸化炭素と水と光を使って
エネルギーと酸素を作ります。

それで地球には
酸素が増えて、
緑豊かな地球環境の
礎となったわけです。

 

30億年前に活躍した
シアちゃんは今でもずっと
生きています。

現在、発見されているだけで
2000種類以上のシアちゃんがいて
いろんな働きをするようです。

糖類を出すシアちゃんがいたり
窒素を固定するシアちゃんがいたりします。

あらゆる場所に住んでいて
淡水にも海水にも
暑いところも寒いところも
火口付近にも海底にも
空の上にも土の中にも
至るところにいます。

 

このシアちゃんが
土の中の微生物叢のトリガー、
微生物界の王様です。

腸内で言うならば
善玉菌の中の善玉菌とでも
言いましょうか。

シアちゃんが元気なら
他の微生物たちも
元気になっちゃうのです。

 

それはなぜか、、

シアちゃんは
独立栄養微生物だから、です。

独立栄養微生物は
「餌を必要としません」。

 

それに対して
僕らは
餌、要りますよね。

普通の微生物も同じ、
餌が要ります。

食べなきゃ腹が減ります。

そういう微生物を
「従属」栄養微生物といいますが、
餌を食べて
自身のエネルギーにするんです。

食べた餌をエネルギーに変換するときに
必ず酸素を消費して
二酸化炭素を出します。

これは
僕らもそうだし、
微生物も同じです。

 

だけど、
シアちゃんは
独立栄養微生物で
二酸化炭素を出しません。

むしろ、光合成で
酸素を出すんです。

 

だから、
土の中で酸素を出すんです。

酸素がないと
他の微生物が活動できません。

僕らも同じです。

酸素がないと
すぐに死んじゃいます。

 

酸素がないと
生きられないのは
植物も同じです。

土の中で
植物が求めるものは
まず酸素。

次に水、栄養。

僕らと同じです。

酸素、水、栄養の順番なんです。

 

だから、
耕したり、中干ししたり
少しでも土の中に
酸素を取り込もうとするんです。

 

だけど、、
畑あるあるを一つ。

作物の育ちが悪いと
肥やしを入れたくなります。

化成肥料なら
それを直接根が吸いますから
酸素がちょっと足りなかろうが
問題ありません。

有機肥料を入れると
どうなるか。

有機物を餌にする
従属栄養微生物が増えます。

そして有機物を食べる=分解して
小さくなったものを根が吸います。

有機物を食べるってことは
従属栄養微生物が
酸素を消費して、
二酸化炭素を出すってことです。

良かれと思って
入れた有機肥料を
土の中で分解するために
ますます酸素が足りなくなるのです。

結果、育ちが悪くなったり
根腐れに至ります。

根腐れを防止するために
畝を高くしたりしますよね。

 

これが
有機農業が難しい理由です。

土地によって
できたりできなかったり。。

 

昔はそれで大丈夫だったのです。

下肥と草木灰を畑に返して
持続性のある農業が
行われていました。

だけど
大気汚染で雨が酸性になり、
土の中のpHが
シアちゃんが好むものでは
なくなっています。

 

まずは
シアちゃんを
元通りに元気にするんです。

シアちゃんが
元気な環境で
植物も動物も僕らも
生まれてきただけのことなんです。

 

 

ちなみに土の中で
光合成して酸素を出すのは
シアちゃんだけです。

他にも光合成細菌は
たくさんいますが
みんな、従属栄養微生物です。

独立栄養微生物である
シアちゃんを増やすのが
肝なんです。

 

ピロール資材には
シアちゃんとか菌が含まれている
訳ではありません。

僕らの腸内と同じ。

他所から来た菌は
なかなか繁殖できません。

そこにいる菌たちを
元通りに元気にする
ってことです。

土地にも多様性がありますから。

 

それが土の中の、
そして世界の循環の
トリガーになるんです。

だけど現在
それが弱くなっています。

ピロール農法は
それを元に戻すきっかけです。

 

 

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